アジアを中心に格安ホテルのフランチャイズビジネスを展開しているベンチャー企業『ZEN Rooms』がイケているので紹介します。
シンガポールを拠点に置くZEN Roomsはタイ、スリランカ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、香港などの主要な東南アジアに加えてブラジルにも展開していて、8カ国40都市で1000以上の宿泊施設がネットワークに参加しています。
とても未来的な運営でイケてるのは間違いないんですが、何より「ガンバレ!」と応援したくなるスタートアップなのです。
もくじ
ZEN Roomsの何がスゴイのか?
徹底したデータによる品質管理がスゴイ
ZEN RoomsはBooking.comやAgodaのようなホテル予約サイトとはちょっと違います。冒頭にも触れましたがZEN Roomsはフランチャイズビジネスなので、世界各地の宿泊施設に『ZEN Rooms』のブランドを使ってもらっています。
ブランドの看板を貸すだけでなく、運営ノウハウの共有やデータに基づいた管理、そしてチェックインなどの自動化を進めています。なんともイマドキっぽくて好感が持てます。
バンコクど真ん中でダブルルームが10ドル!とにかく安い
格安に強いのがZEN Roomsの最大の特徴です。ZEN Roomsのサイトから僕の好きなバンコクのホテルを検索してみましたが、好立地にも関わらずダブルの部屋が10ドルで見つかりました。
値段見ながら「はいはい、ドミトリーでしょ」と思いましたが、どう見てもダブルルームでした。バッチリエアコン付きWiFi付きです。もちろん格安ドミトリーもめちゃめちゃ豊富に取り揃えられています。
どうしてこんな低価格が実現してるのか調べても出てこなかったですが、たぶん先進的なフランチャイズ展開によってコストの合理化が進んでいるからなのでしょう。
資金調達と財政難の狭間に揺れるZEN Rooms
僕がなぜZEN Roomsを応援したくなるかというと、大型の資金調達をしながらも財政難の危機に瀕しているハラハラドキドキ感がポイントです。
800万ドルの資金調達!
ZEN Roomsは2017年の4月に410万ドルをベンチャーキャピタルから調達していて、この時点で合計800万ドルの資金調達に成功しています。
出資したAPACIGのCEOもThe Bridgeの取材でZEN Roomsにめちゃめちゃ期待している様子でした。
新興市場において低予算旅行者が抱える信頼性や安全性上の大きな問題に効率的に対処する ZEN Rooms は、当社の投資先ポートフォリオの中でも非常に有望な会社です。ZEN はわずか2年足らずで、東南アジアの旅行者にとって最もコストパフォーマンスの良い宿泊施設となり、また地域の既存ホテルチェーンに代わる具体的な選択肢としてもとらえられるようになりました。
The Bridgeより引用
からの…財政難で売却の危機
資金調達を終えて順風満帆か…と思いきや、2018年3月にはTechCrunchによって財政難が封じられます。
記事内で登場する情報筋によると「ZEN Roomsは数ヶ月分の資金しか残っていない」とまことしやかに語っていて、いよいよ万事休すか?とハラハラさせてくれます。
廃業だけは避けて欲しい…僕のような安宿フリーク全員が祈った事でしょう。
からの!韓国企業から1500万ドル調達
そんな危機的状況のZEN Roomsに吉報が届いたのは2018年の8月。韓国のホテルアプリ「Yanolja(야놀자)」に株式を売却して1500万ドルの投資を受けます。
Yanoljaはラブホテルをファミリーやビジネス利用にも使えるようにブランディングなどのノウハウを提供している会社で、ZEN Roomsの経営方針とも通ずつところがあったようです。
将来的にYanoljaはZEN Roomsの100%の所有権を得る可能性もあるようですが、ZEN Roomsのように良心的なサービスがなくなってしまう危機を救ってくれたYanoljaに感謝ですね。