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メタップス『re:shine』が提唱する“フリーランス型正社員”が最適解になるかも

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メタップス『re:shine』が提唱する“フリーランス型正社員”が最適解になるかも

またもや、目の付け所がメタップスなサービスが誕生しました。『re:shine(リシャイン)』はフリーランス的に働きながら、正社員のような保証や信頼がアドオンできるプロジェクトです。3月29日から事前登録を開始しています。

僕の率直な感想として、re:shineはイケてる気がします。事前登録はもちろんDONEです。

ただ昨今、“新しい働き方”を提唱するサービスや組織が増えていて、ややカオス感が否めません。

何がどう違うのか?を整理してみたので、参考にしてください。

まずre:shineの概要をおさらい

労働人口減少とサービス増加のギャップを埋める

日本の労働人口はどんどん減少しているのに対して、WEBサービスやアプリの開発ハードルは下がっているのでサービスは増加し続けている現状があります。

生産人口推移図

生産人口推移図(出典:https://www.atpress.ne.jp/news/180653)

特に、WEBやアプリが作れるIT人材は慢性的に不足しているため、IT人材がひとつの会社でひとつの仕事しかしないのは、とてももったいない事なのです。

ですから、IT人材は複数の仕事を同時平行でこなすことが必然になります。その橋渡しをするのがre:shineの役割です。

メタップスの正社員だけど「ギルド型」で働く

re:shineのイメージ

re:shineのイメージ(出典:https://www.atpress.ne.jp/news/180653)

re:shineのユーザーは運営元のメタップスと雇用形態を結びます。そして同社の正社員として働くことになります

ユーザーはre:shine上で紹介されるプロジェクトに個人として応募したり、チームを組んで参加したりすることもできます。

案件ごとに適切な人材を必要なだけ提供する。最近増えている「ギルド型」の働き方と言えます。

推測ですが、メタップスの社員になるわけなので、メタップスの自社サービスにアサインされるケースもありそうですね。

参考:会社員?フリーランス?複業時代の『ギルド型組織』ってなんだ

働き方はフリーランスだけど、正社員の保証と信用

フリーランスと正社員、どちらにも一長一短があります。

例えばフリーランスで働いている人にとってのデメリットとは何があるでしょうか。

病気や怪我の備え、チーム単位での案件受注の難しさ、税務・経理業務の煩雑さ、などなど、考え始めるとアレコレ出てきます。

フリーランスの懸念事項・デメリット

フリーランスの懸念事項(出典:https://lp.re-shine.jp/)

 

一方、フリーランス転向を検討している正社員にとっての懸念も色々あります。安定した収入、福利厚生や保証、住宅購入などのローン、これらは正社員ならではのメリットです。

会社員の懸念事項

会社員の懸念事項(出典:https://lp.re-shine.jp/)

re:shineは正社員のメリットは受けながら、フリーランスのデメリットをカバーできます。

働き方はフリーランス的ですが、雇用形態はメタップスの正社員なので保証や信用も確保できるのです

加えて、確定申告や経理業務は一般的な会社と同様に、専門の部署で処理してもらうことができるのはとっても魅力的。

キャスターとre:shineの違い

キャスターとre:shineの違い

出典:https://caster.co.jp/

「新しい働き方」と聞くとオンラインアシスタントなどで有名なキャスターを思い浮かべます。僕も最初にre:shineを知った時、真っ先に「キャスターとどう違うんだろう?」と思いました。

キャスターは「リモートワークを当たり前にする」

まず、キャスターの企業ミッションに注目してみると、「リモートワークを当たり前にする」となっています。

そして、キャスターはいくつものプロダクトを運用しています。

オンラインアシスタントサービスの『Caster Biz(キャスタービズ)』が有名ですが、キャスタービズは経理や人事、デザインなど、分野ごとにサービスを提供しているのが特徴です。

さらに、リモートワークをしたい人のための仕事探しプラットフォームとして『Remote Style(リモートスタイル)』『在宅派遣』『Reworker(リワーカー)』といったサービスも展開しています。

キャスターの働き手の雇用形態は正社員、契約社員、準社員、業務委託など多様です。

要するに、キャスターはリモートワークを一般化するための総合商社的な企業です。re:shineのように「正社員のような保証や信用」にこだわらず、デマンドサイドもサプライサイドも展開しています

キャスターは『ボーダレス組織』提唱

キャスターは『ボーダレス組織』なるものを提唱しています。

参考文献として、キャスターCOOの石倉さんの連続ツイートを添付しておきます。面白いですよ。

THE GUILD(ザ・ギルド)との違い

THE GUILD(ザ・ギルド)とre:shineの違い

re:shineの働き方は「ギルド型」と前述しましたが、それではギルド型組織のパイオニアである『THE GUILD(ザ・ギルド)』とはどう違うのでしょうか。

THE GUILD(ザ・ギルド)もWEBとアプリが専門

THE GUILDの得意分野はWEBやアプリの企画・開発です。そういう意味ではre:shineと共通点があります。

案件ごとに所属しているリソースから適した人材を組み合わせて、ユニットとしてアサインする点でも、THE GUILDとre:shineは共通しています。

少数精鋭&ギルドにブランドを集約

THE GUILDは少数精鋭でスペシャリストが在籍しています。

「ウチのアプリのUI/UXはTHE GUILDに作ってもらったんだぜ!」と言うだけでもイケてる印象がムンムン漂います。これはまさにTHE GUILDのブランディングの賜物です

re:shineはまだサービスインしていないので何とも言えないのですが、β版の事前登録だけでも50名と、THE GUILDと比較しても大人数です。

所属社員が大人数だからってブランディングできないワケではありませんが、THE GUILDと同等のブランド価値を生み出すのはかなりの高難度でしょう。

THE GUILDは経営者以外はフリーランス

蛇足程度の情報ですが、THE GUILDは経営者以外のメンバーはフリーランスです。

試験的に社員も雇っているそうですが、このあたりは模索中っぽいので何が正解かわかりませんね。

WEB・アプリ制作会社との違い

WEB・アプリ制作会社とre:shineの違い

re:shineはWEBやアプリのサービス開発・運用に特化していますが、WEBやアプリを専門とする制作会社とはどこが違うのでしょうか。

制作会社は組織としてのノウハウがある

制作会社は自社に所属している社員だけでWEBやアプリの開発・運営を担います。

そのため限られたリソースからプロダクトを生み出すことになりますが、そのぶん組織としてのノウハウは蓄積されていきます。

メンバー同士のコミュニケーションコストも少ないでしょうし、前例に習ってサクサクと仕事を進められるメリットがあります。

また、制作会社によって得意分野があるはずです。ニュースメディアが得意とか、SNSアプリが得意とか、特色が出やすいのも制作会社の特徴ではないでしょうか。

案件とスキルのミスマッチ

制作会社のデメリットに目を向けてみましょう。一番大きいのは、社員だけの限られたリソースで成果物を納品しなければいけない事でしょう。

例えば、あるエンジニアはWEB開発が得意なのに、リソースの関係でアプリ開発にアサインされてしまうといったミスマッチが発生する場合があります

ミスマッチが起こると、作業の進みが遅くなったり、品質が落ちたりする危険があります。

それだけでなく、不得意な案件にアサインされたメンバーは、会社の都合で自分の実力が正しく評価されないわけですから、いい事ナシです。

自分のスキルを腐らせていないか

IT系だけでなく、いろんな分野で人手不足が顕在化しています。

複業やフリーランスといった働き方は、これから確実に増えていきます。しかし、当然ながらひとつの会社で働くことが悪い訳ではありません。

大事なのは自分が適材適所で、なおかつストレスなく働けているかどうかです。

今の職場にモヤモヤしている人は「自分のスキルが適切に評価されているか」を振り返ってみてはどうでしょう。

もしも実力を持て余しているのなら、それは人手不足の世の中において機会損失かもしれません。

自分にとって何が最適解かを常に考えていたいですね。

(そういう僕は週に10時間くらいしか働いてないですが)

 

 

この記事を書いた人

MULTINESS編集長。『漂流男子』『働きたくない代表』とか言われている。ライブドア、LINE、サイバーエージェントを経て福岡県糸島市をメインの拠点に東京、名古屋を行ったり来たり。バンコクに拠点作りたい。