最近では家を持たずに生活する人の事を『アドレスホッパー』と呼ぶようです。僕も4ヶ月くらいアドレスホッパーをしていた時期がありまして、朝起きるたびに「ココどこだっけ?」ってなるのはけっこう楽しかった思い出があります。またやりたい。
とはいえ、世の中は家を持って会社勤めしている人が圧倒的多数派なので、アドレスホッパーに対する世間の印象は「ホームレスと何が違うんだ?」「住所不定だろ」「ネカフェ難民じゃん」といったネガティブなものになりがちです。
リクルートのトレンド予測では、二拠点生活者『デュアラー』が今年のブームになると言われていますが、アドレスホッパーのそのムーブメントに近いものがあります。
本当は楽しいアドレスホッパーのリアルな生態系を解説していきます。
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もくじ
仕事してるの?お金は大丈夫?
おかげさまで、僕がアドレスホッパーしてる時はこの質問を死ぬほど受けました。経済的な部分は人それぞれ異なるんですが、いくつかパターンがあります。
リモートワーク
WEB系のスキルがあると、死なない程度にお金を稼ごうと思えば意外となんとかなります。僕もアドレスホッパー時代には友人からお仕事をいただいて食いぶちを得ていました。
あとはFXとか株のトレードで稼ぐのもリモートで完結します。
貯金を切り崩す
貯金を切り崩してアドレスホッパー…これってただの旅行じゃん、って話ですよね。このタイプをアドレスホッパーと呼ぶのかどうか、正解は誰にもわかりませんが、このタイプがいるのも事実。
失業保険
僕は仕事を辞めた直後からアドレスホッパーをしていたので、失業保険を生活費にあてていました。なんか不謹慎な感じがしてドキドキしますが、ちゃんと規定にのっとった就職活動もしていたし、役所にも定期的に通っていたのでセーフでしょう。
旅先で短期の仕事を見つける
農家の繁忙期を手伝うとか、ゲストハウスに住み込みで働くとか、短期の仕事で収入を得ている人もいます。僕もゲストハウスに住み込みで働いていました。
旅人にとって冬は厳しい季節なので、居心地の良いゲストハウスを根城にしながらリンゴを収穫して収入を得つつ春が来るのを待つ、という人は結構いました。
どこに泊まってるの?いくらかかるの?
ゲストハウス・ホステル・Airbnb
アドレスホッパーの定番です。値段はピンキリですが、2500〜10,000円くらいが相場でしょうか。僕は貧乏旅だったので、もっぱら格安な宿が多かったですが。
新R25でインタビューを受けて話題になったアドレスホッパーの市橋さんは宿泊費が月12万円だそうです。1日平均4000円。東京を拠点に仕事をしていて月に12万円で光熱費ネット代込み。これを高いと考えるか安いと考えるかはあなた次第!
短期でシェアハウス
シェアハウスを短期で借りることもできます。1週間単位で借りれるシェアハウスサービス『weeeks』というのもあります。(なぜかweeeks.jpにアクセスできないのでリンク貼りませんが)
他にもこの手のサービスはありそうなのでいいのがあったら教えてください。
気のいい人に泊めてもらう
友人の家に泊まるのはアドレスホッパーの常習手段なのですが、行きずりの人の家に泊まるのもアリです。
地元のコミュニティに混ざって飲んでいたりすると、気のいい人が「泊まっていきなよ」と言ってくれる場合があります。
正直、お言葉に甘えるかどうかは悩ましいところです。声をかけてくれた人が善人なのか悪人なのか見極める選球眼が問われるところです。
漫画喫茶・ネットカフェ
旅ばかりしていると、急にカラダが俗物を求める時があります。そんな時には漫画喫茶やネットカフェは大いなる癒しとなるでしょう。一晩中漫画を読みながらメロンソーダを飲めば、またすぐに旅に出たくなります。
料金はナイトパック9Hで1500〜2500円ってところでしょうか。
スーパー銭湯
サウナやお風呂が好きならスーパー銭湯を寝床にするのも一興です。ただし休憩室で雑魚寝が基本なので、ある程度イビキ耐性がなければ眠れないかもしれません。
深夜料金含めて3000円前後が相場です。
裏ワザとしては、徹夜明けに朝イチでスーパー銭湯に入店して睡眠をとれば、深夜料金を取られずに8時間睡眠も夢ではありません。夜型の人にはいいかも。
最近はWiFi完備で仕事に使えるスーパー銭湯も増えてきてるので、もはや生活の全てがスーパー銭湯で完結しつつあります。
荷物はどれくらい持ち歩いてるの?
常に身軽なアドレスホッパーのマインドセット的に、基本的に持ち物は少ない人が多いです。友人に囲炉裏をリヤカーに乗せてアドレスホッパーしてる人もいましたが、とてつもなく過酷そうでした(笑)
持ち歩くのはバックパックひとつ
あくまでも相場の話ですが、日々移動を続けることが基本なので、バックパックに収まる程度の荷物しか持たない場合がほとんどでしょう。僕もそうでした。かさばるのは衣類ですが、2〜3着の服を洗濯しながらローテーションすればOKなので、大胆に断捨離すれば25ℓのバックパックでも行けるっちゃ行けます。
実家に荷物を置かせてもらう
アドレスホッパーは家具家電はほぼ持っていません。生活感のある家に住んでいる人には想像しにくいかもしれませんが、マジでモノを持っていない人が多いです。
僕は旅には持っていかないけど、捨てられないモノは実家に置かせてもらっています。まあ、ストレッチポールとサーフボードだけですが。
荷物収納サービスを使う
アドレスホッパーのためのサービスと言ったら言い過ぎですが、荷物収納サービスの『サマリーポケット』が便利です。
サマリーポケットはダンボールに荷物を詰め込んで送るだけで、運営会社が保管してくれます。預けた荷物はアプリで管理できるので、必要に応じてピックアップできます。月額250円から利用できて、トランクルームを借りるより断然使い勝手がいいです。
食費や生活費はどれくらいかかるの?
食費はそれこそピンキリなのでなんとも言えませんが、僕は宿泊先で節約のために自炊していたので月に5000円くらいしかかかりませんでした。これはかなり極端な例なので参考にならないかもしれませんが、切り詰めるとここまでできます。
宿泊費を除いた生活費は交通費がほとんどです。あとは税金の支払い。アドレスホッパーするなら税金の支払いがどのくらいになるか試算した方がいいです。僕は無鉄砲に働きもせずアドレスホッピングしていたので、会社員時代の収入で課税されて支払いに苦しみました。
住民票はどうしてるの?
実家
僕の場合は住民票を実家の住所に移してから旅に出ました。たまに実家に帰って郵便物の確認をしないといけないのがめんどくさかったです。
シェアオフィス
シェアオフィスのオプションで住所を持ったり郵便を受け取ることもできます。
日本全国をまたにかけてアドレスホッパーをしているとこの方法はコスパ悪いですが、基本は東京が拠点とかだと便利です。
ポケットレジデンス
これまた『ポケットレジデンス』というアドレスホッパーのための便利なサービスがありまして、超絶ミニミニなシェアハウスを借りて、そこに住民票を登録することができます。
ポケットレジデンスは月額1万円で借りられます。住所は世田谷区池尻なので、一等地に家を持ったような気になれるのもオツなもんです。
一応、トイレとベッドがある部屋なのでワンチャン泊まれます。泊まれるだけです。
月一でアドレスホッパーが集まる#Hoppingbar
アドレスホッパーに興味があるなら、都内で月一で開催されている#Hoppingbarというイベントに参加してみてください。
今日20時から恵比寿でアドレスホッパーの新年会やりまーす!興味ある方、飛び入り参加可能なのでDMください! #アドレスホッパー #Hoppingbar #新年会https://t.co/ysS9ELz1if
— 市橋正太郎/アドレスホッパー (@shibu_senn) January 16, 2019
新年会に参加した人のうち、半数近くがアドレスホッパー実践者だったそうです。面白そう。
1週間アドレスホッパー体験してみるだけでも刺激的なので、家を捨てる予定のない人でもぜひ試してみてください。きっと何かに開眼するはずです。